中小企業庁が出している「会社を未来につなげる、10年先の会社を考えよう」というパンフレットの内容をご紹介しましょう。

 

 

  • 会社の事業の将来を考えるためには、

 

ステップ1 「会社のいま」を見つめ直すところから始める

 

会社の将来についてどんなことにお悩みですか。

 

会社の10年後を考え、現在のギャップを埋めるために必要な取り組みを早速始めましょう。

 

○製造業経営者Aさんの悩み

 

同業他社は業績を伸ばしているが、当社は何をどうすればいいか分からない。

 

○建設業経営Bさん

 

売上減少傾向にあり、先行きも不透明。このまま5年、10年続けていけるだろうか。

 

○小売業経営Cさん

 

子供に会社を継いでほしいけれど、子供には継ぐ気がないようで、事業を承継できるのか不安です。

 

ステップ2 「経営の見える化」に取組む仕組みづくり

 

10年後の会社像とのギャップを埋めるために、まずは会社の現状を把握しましょう。

 

1.経営のいまを「見える化」とは?

 

 

未来に向けて経営方針を定める必要があります。

 

その最初の一歩は、会社の経営状況を把握することです。

 

事業をこれからも維持・成長させていくために、利益の確保ができる仕組みになっているのか、商品・サービスの内容は他社と比べて競争力を持っているかを点検しましょう。

 

(1)事業の見える化のメリット

 

事業の将来性の分析や会社の経営体質の確認を行い、会社の強み・弱みを再認識する。

 

これにより取組むべき課題を洗い出す。

 

(2)資産の見える化のメリット

 

経営者の個人資産について会社との貸借関係などを確認する。

 

後継者に遺せる経営資源を明確にできれば、後継者の不安も解消される。

 

(3)財務の見える化のメリット

 

適切な会計処理を通じて、客観的な財務状況を明らかにする。

 

これにより銀行や取引先からの信用度も上がり、資金調達・取引の円滑化にもつながる。

 

2.目には見えない自社の強み「知的資産」を活かした経営体質の強化

 

将来にわたって事業を継続、発展させていくためには、会社の財務状況の改善をはじめとする経営体質の強化を進め、限られた経営資源を効果的に活用して本業の競争力を高めていくことが重要です。

 

商品のブランドイメージ、知的財産権や営業上のノウハウなどの目に見えない強み「知的資産」が会社の競争力を支えているといっても過言ではありません。

 

(1)優秀な人材を確保する企業ブランド

 

事業に対する志、目的意識や能力を持った人材を登用できる。

 

(2)優良な顧客を抱えている強み

 

売上げに関しても確度の高い見通しが立てられる。

 

(3)法令遵守体制による社会的信用の確立。

 

新しい取引先の拡大、資金調達もスムーズに。

 

(4)情報・ノウハウの全社的共有で安定したサービスの提供

 

特定のスタッフに依存しない、切れ目のないクライアント対応を可能に。

 

(5)経営目標の全社的共有でチームワークが向上

 

中長期的な経営目標を全社的に共有。

3.経営の「見える化」に向けてアクション

(1)自社の強みと弱みを把握

商品ごとの月次の売上・費用や製造工程の調査・分析を通じ、製造ラインの課題や稼ぎ頭商品を把握。

適切な「磨き上げ」につなげていく。

(2)経営分析ツールを活用する

「ローカルベンチマーク」等を活用して同業他社との業績や経営体質の比較・分析を行う。

(3)会社資産と個人資産の区別

 

(4)自社株式の保有状況と評価額を把握

 

(5)会計制度で客観的な財務諸表を作成

 

(6)知的資産の価値を再認識する

ステップ3.会社を「磨き上げる」仕組みづくり

10年後、こんな会社になっていたい会社の将来像に近づけるために、競争力をアップする会社に磨き上げることです。

それでは企業価値の高い魅力的な会社とは、どのようなものでしょうか。

一つは、他社に負けない「強み」を持った会社。

もう一つは、業務の流れに無駄がない、効率的な組織体制を持った会社です。

自社が強みを有する分野の業務を拡大していくと共に、各部署の権限、役割を明確にして業務がスムーズに進行する事業の運営体制を整備しましょう。

(1)競争力アップで磨き上げ競争力を伸ばす

業務フローの見直し、経費削減などコストマネジメントを徹底し、商品・サービスの競争力を高める。

(2)運営体制の整備で磨き上げガバナンスを向上する

事業の実態に即して組織体制を再構築する。

社内の風通しを良くして社員のモチベーションを向上させる。

(3)磨き上げにはこんな効果が(事例)

 

①従業員との情報共有で生産体制強化

月次での会計処理を行い従業員にも公開し、実績と目標を共有化が可能となり、従業員の意識向上により製品ロスの減少と品質の安定化が図られ、生産体制の強化につながった。

②弱みを強みに変えて受注アップ

旧型設備での少ロット生産は弱みかと思っていたが、その機動性を逆手にとって経営資源を集中することで、大手企業では対応できない小ロット案件の受注が増加した。

③従業員の経営参加でモチベーションの向上

従業員が全員参加する会議で会社の将来について自由に議論し、実際に経営計画に盛り込むことによって従業員が主体性を持てるようになり、モチベーションも向上した。

(4)会社の「磨き上げ」に向けたアクション!

①競争力アップ編

 

・商品力を伸ばしマーケットを開拓

自社の商品・サービスの同業他社と比較した強みを絞り込み、経営資源の集中で新規顧客を開拓する。

・人的資源を強化する

新しい商品・サービスの開発を支える人財の育成、新規採用を進めて自社の人的資源を強化する。

②組織ガバナンス編

 

・役員・従業員の役割を明確化 

事業の実態に合わせて各部署の組織体制を見直す。役員や管理職の職務権限、役割を再構築する。

・経営者の権限委譲でリスク分散

経営者の権限が集中している場合は、役員や管理職に権限を段階的に委譲し、万が一の時の経営リスクを分散する。

・経営のスリム化を図る

将来の授業に必要のない滞留在庫、遊休資産を処分・現金化し、新事業や新商品開発に投入する。

ステップ4.「事業承継」により魅力あふれ、長く継続する会社や事業を組み立てていく

会社の10年後を一緒に考えてくれる人がいますか?

(1)60歳になったら事業承継に向けた準備を始めましょう

後継者の育成も考えると、事業継承の準備には5年~10年ほどかかります。

60歳ころには準備に着手したいところです。

会社の大きな転機となる事業承継は、早めの準備、計画的な取り組みが肝要です。

(2)事業承継に向けた準備は、会社の10年後を見据えて着実に進めて行きましょう。

 

(3)後継者に承継する三つの要素

アクション1 人(経営)編

 

  • 経営者としての自覚を育てる

経営者、後継者の対話を通じた経営理念の承継や、現場から経営まで幅広い経験を通じた後継者教育。

アクション2 資産編

  • 後継者に引き継ぐ資産の整理

経営者の個人資産や負債、保証関係も含めいつどのように後継者に引き継ぐか検討する。

アクション3 知的資産編

 

  • 会社の見えない強みも承継

後継者との対話を通じて、従業員や取引先との信頼関係も引き継いで、円滑な事業承継。

  • この仕組み(ステップ1.~ステップ4)を3年で仕上げることが急務なのです。

・10年後の社長・家族・社員の年齢は?

・10年後の会社はどうなっている?

・これからの準備は今始めなければ!