「中小企業の事業承継に関するアンケート調査」により、中小企業・小規模事業者の事業承継を取り巻く状況を見ていきます。

経営者の平均引退年齢の推移を示したものですが、引退年齢は上昇傾向にあり、経営者の高齢化が進んでいる状況がわかります。

 

注目すべきは、小規模事業者の方が中規模企業よりも経営者の引退年齢が高いと言うことです。

今後の事業運営方針についても、経営者の年齢が高い企業ほど、

 

「縮小・廃業したい」と回答する割合が高くなっています。

 

特に、小規模事業者では、その傾向が顕著です。

事業承継時の現経営者の年齢別に、事業承継のタイミングを示したものを見たグラフです。

 

「ちょうど良い時期だった」と回答する割合が最も高い年齢層は、40~49歳です。

 

事業承継のタイミングについて、

 

「ちょうど良い時期だった」と回答する現経営者の承継時の平均年齢を見ると43.7歳

 

この年齢と最近5年間の現経営者の承継時の平均年齢(50.9歳)を比べると、最適な年齢は、実際の年齢よりも約7年早くなっています。

 

また、「もっと早い時期の方が良かった」と回答する現経営者の承継時の平均年齢(50.4歳)でも、

 

実際の平均年齢を下回っており、後継者への事業承継は、総じて遅れているものと推測されます。

現経営者の事業承継時の年齢別に、事業承継後の業績推移を示したものを見ると、

 

全ての年齢層で、「良くなった」と回答する割合が、「悪くなった」と回答する割合を上回っています。

 

事業承継時の現経営者の年齢が若いほど、承継後の業績が向上する傾向が見られるのです。

経営者の世代交代によって、自社の経営に良い影響があったという企業に、地域や社会への影響について聞いたものです。

 

中規模企業の約3分の2、小規模事業者の5割強が、経営者の世代交代によって、地域や社会に良い影響があったと考えていることが分かります。

 

具体的に見ると、

 

中規模企業は、「やりがいのある就業機会の提供」と回答する割合が高く、「事業利益の地域への還元」が続きます。

 

他方、小規模事業者は、「やりがいのある就業機会の提供」に次いで、「地域のコミュニティづくりや伝統文化の継承」と回答する割合が高いという結果になっています。

 

 

中小企業は、日本の全企業の99%以上を占めており、労働者の70%以上は中小企業に勤務しています。

 

そんな中小企業が事業承継されずに廃業に追い込まれてしまうと日本社会の基盤が大きく揺らぐのです。