M&A時には買い手側は、デューデリジェンス(売り手側企業について、事前に詳細を調査検討すること)を行います。
事業、財務、法務、人事などの観点で行われます。
通常のデューデリジェンスは、買い手と売り手の間で基本合意が成立したあとに、
秘密保持契約を締結し、その後に行うことがほとんどなのですが、
事業に関するデューデリジェンスは、さまざまなタイミングで発生します。
買い手側企業にとって、売り手側企業を買収することによる相乗効果の可能性にシビアになるのは理解できます。
つまり、買い手側企業に対しても後継者に対しても、自社の事業の可能性を見える化することは重要なのです。
魅力的に見えていないと事業承継もM&Aも進みづらくなってしまいます。
この会社の価値を魅力的にすることが「磨き上げ」です。
この「磨き上げ」の一助になるのが、クロスSWOT分析です。
内部環境Strength:強みとWeakness:弱み、外部環境Opportunity:機会とThreat:
をクロスで分析するのです。
クロスする4つの部分に、以下のような考えをもとにした戦略を考えていきます。
S強み×O機会=「強みと機会を最大限に活用してなにができるか」
商品自体の強みと環境の機会がマッチしているならば、それを活かさない手はありません。
機会を味方につけ、強みを発揮できる最高の戦略を考えます。
S強み×T脅威=「強みを活かして脅威をどのように克服できるか」
商品にとっての脅威も、強みを活かして乗り越えることができるかもしれません。
ピンチをチャンスにする戦略を考えます。
W弱み×O機会=「弱みの影響で機会を逃さないためになにができるか」
商品の弱点のために、せっかくの市場機会を逃すのはもったいないことです。
弱みが足かせとならないようにする戦略を考えます。
W弱み×T脅威=「弱みと脅威が重なったとき、どのように危機を回避できるか」
商品の弱点が外部環境の脅威と重なってしまうのは避けたいこと。
最悪のシナリオを招かないための戦略を考えます。
特にS強み×O機会の戦略は最高のチャンスですので、まずはここから考えてみましょう。