私は、これまでいくつかの企業に出向した経験があります。
現場経験がないコンサルタントが、知識を教える方が非常に多くいます。
しかし、そこには何の興味もないために、出向という手法で現場コンサルをしてきました。
なぜか?
若かりし頃に大きな失敗を経験したからです。
コンサルタントとして知識ばかりを学び、「自分にもできる」と簡単に起業をして、結局多額の負債を抱え、自殺まで考えたこともあります。
結局、残った負債額は5000万円。
当時の私にとっては、大きな額でした。
自殺を考える時って、自己否定なんですよね?
考え、頑張り、良い時も悪い時も経験し、社員の生活の豊かさを追求し、夢に向かって精一杯働きました。
しかし、うまくいかなくなると転げ落ちるように下っていく。
「これまで、一体何をして来たんだろう?」
「自分には経営者になる資格がないのでは?」
「取引先にも支援者にも迷惑をかけてしまう!」
「やめても家族をどうやって養っていけばよいのか?」
こんなことばかり考えてしまうと、自殺を考えてしまうんですね(笑)
私の場合は、手形を発行していなかったので倒産はしませんでしたが、税金も社会保険料も返済も・・・滞納ばかりでした。
携帯にも家にも返済の催促の電話ばかり。
どうかなりそうでした。
結論から言うと、5年で完済しました。
再生できたきっかけは、「やめる」と決めたことだったと思います。
全国的にも有名な経営者お二人から某ホテルのレストランに呼び出されて、「これ以上続けると、色んな人に益々迷惑をかけるからやめなさい!」と進言していただきました。
心の中では、「今やめると皆を不幸にするし、家族を養っていけない。」と思いながら聞いていました。
しかし、数日考えたのちにやめる決断をしました。
ガソリン代も扱える商品もないのに・・・
とにかく「やめる」ことを決断したのです。
事業承継の現場で、破産や廃業を検討せざるを得ない方の多くは、この先の不安や従業員・取引先のことばかり考えて、決断が遅れています。
私のちっぽけな経験から言わせていただくと「やめる」と決めると覚悟が生まれます。
覚悟ができると、次への道が自ずと開けてくるのではないかと思っています。