事業承継の現場では、今後赤字が続いたとしても、どれくらいの期間なら会社がもつのかを考えることもとても重要になってきます。

 

体力のない会社を後継者に委ねることほど、無責任なことはありません。

 

実際にこのような会社が親子の間でもありました。

 

一抜けた状態で、息子さんに譲り、結局倒産。

 

その上に息子の経営能力を責めるという場面を見たことがあります。

 

しかし、実際は先代経営者の時に終わっていたのです。

 

では、「企業体力」について考えてみましょう。

 

簡単にいえば、いざというときに使える資産がどれくらい残っているか?ということ。

 

具体的には貸借対照表の「純資産」で判断します。

 

貸借対照表は、左側が「資産の部」、右側が「負債の部」と「純資産の部」になっています。

 

「純資産」は、これまでの利益の蓄積や株主の出資金であり、返済の必要のない資産です。

 

一方「負債」は返済の必要のあるものです。

 

「純資産」がプラスだと資産超過であり「体力はある」といえます。

 

逆にマイナスだと債務超過であり「体力はない」といえます。

 

「純資産」がマイナスの場合、仮にその状態で.廃業をしようとしても、借入金や買掛金を整理するための現金および現金に換えられる資産がない状況であり、廃業すらできず、倒産せざるを得なくなってしまうこともあるので、まずは自社の貸借対照表を詳細に見てください。

 

さて、貨借対照表を見る場合も、損益計算書同様、数字を実態に即して修正していく必要があります。

 

記載されている数字(簿価)と、実際の価値(対価)が違うことが、多くの企業で見受けられるからです。

 

たとえば、「商品100万円」と記載していても、記載当時から簿価が変動して、今その商品を売って現金化したところで二束三文にしかならないことはよくあります。

 

ほかにも回収困難な売掛金があったり、簿価記載の不動産金額よりも実際の価格が下がっているといったこともあります。

 

簿価と時価の差額を一つずつチェックしたうえで、正しい純資産の額を知ることは、とっても大切なことです。

 

【実際の価値にするためにチェックすべき項目】

 

①売掛金・・・回収懸念のある売掛金はないか?

 

②受取手形・・・不渡りになる可能性のある手形はないか?

 

③商品・・・滞留在庫はないか?

 

④不動産・・・簿価よりも価値が下がって(上がって)いないか?

 

⑤車両・・・簿価の価値と時価の価値に相違はないか?

 

⑥有価証券・・・評価額(益)が出ていないか?

 

⑦保証金・・・戻ってこないであろう保証金が決算書上に残っていないか?

 

⑧借入金・・・会社が第三者のために連帯保証している借入金はないか?その他簿外になっている借入金はないか?

 

これらは、もちろん事業承継時にも必要ですが、M&Aや廃業の時にも必要な確認内容です。

 

ぜひ、貸借対照表をご覧ください。