• 知的資産の承継とは、社長としての能力や実態の引継ぎのことでもあります。

     

    ・無形の価値:ビジネスモデル・ブランド・社歴・企業風土・革新能力

     

    ・企業内の人財:経営者の思い・経営理念の実現・従業員のスキル・技術力・団結力

     

    ・外とのつながり:連携力・信用力・人脈・産業連環・儲かる仕組み・顧客基盤

     

     

    複雑化している現代社会では、柔軟な考え方や素早い実行力か必要とされます。

     

    もちろん、すべての面において、現社長に勝るものがなくてもかまいませんし、その場合のほうが多いと思います。

     

    これから時間をかけて、社長としての心構えと能力をしっかりと身につけていくことが大事です。

     

    会社が行う商売そのものの理解や営業手法、財務・労務の知識などの「経営学」は、実務で身につけることが重要です。

     

    本から学ぶことや現社長が言葉で教えられることもありますが、本当に承継すべきは、学ぶ姿勢そのものと、これまで培ってきた実務上でのノウハウや経験です。

     

    さらに社員を率いていくからには、社員との信頼関係を築いていかなくてはなりません。

     

    特に子供へ承継する場合で中途入社の場合には、古参社員との関係構築が難しいものです。

     

    現社長としても最低限のバックアップは必要でしょう。

     

    取引先との関係作りも忘れてはなりません。

     

    金融機関も含め、社外の関係者に対しても用意周到な準備が必要です。

     

    後継者教育は時間と精神力のいる作業です。とくに子が継ぐ場合は経験が浅い場合が多いので、5年、10年といった長期計画で取り組んでください。

     

    • 社長としての心構えを身につけさせる

     

    社員の発言や行動より、社長の発言や行動は何倍も重みがあります。

    まだ正式に社長になっておらず、能力が不十分であっても、社長ならどう行動するか、どう発言するか、どう考えるかといったことを意識することか大事です。

    朝起きてから夜寝るまでの間、社長としての振る舞いを意識するなど、社長という立場は、常にそれぐらいの意識でいることが必要なのです。

     

    • 実務を経験させ、経営学を学ばせる

     

    会社が行う商売そのものの理解、営業での立ち振る舞いや営業手法、決算書や資金繰り表を読み解くための財務の知識、人事労務の知識などを学ばせる必要があります。

    本や研修で学ぶことも必要ですが、実際の経営に役立つのは、これまで培ってきた実務でのノウハウや経験です。

    そのためには全部署をローテーションさせたり、責任のある地位・立場においたりして、経営のノウハウを会得することが大事です。

     

    • 従業員との関係を構築させる

     

    中小企業の場合、現社長の心意気や生き方にひかれて頑張っている社員も多いため、新しく、しかも若い経営者が上に立つことには、抵抗感がある社員もいます。

    そのため現社長かいるうちに、後継者の存在を公にし、後継者と社員とのパオプを太くしていくことが必要です。

    現社長が動き過ぎると、後継者が頼りなく見えてしまうこともあるので、適度なバランスでバックアップをしてください。

     

    • 取引先や金融機関など関係者とのネットワークを広げる

     

    中小企業は、取引先も社長個人とのつながりから始まった会社が多く、人的なつながりで事業が成り立っている面もあります。

    そのため、早い段階で後継者を取引先に会わせてやりとりさせることも必要です。

    金融機関も社長個人の資産や信用力に対して貸付をしている面があるため、いきなり「明日から社長が交代します」では、理解を得ることが難しくなることもあります。