今回の記事は、結構乱暴な内容になっているかもしれませんが、前もってお許しください。

 

先日、某地方銀行からM&A仲介依頼が来たときの話です。

 

結果としてはお断りしました。

 

理由は、その銀行の担当者との会話から見え隠れする本音を知ったからです。

 

「銀行から会社を売らないか?って言われた」と喜んでおられる社長さんがたまにいますが、決して喜んでいる場合ではありません。

 

貴社の価値があるからだけではないからです。

 

金融機関は、低金利政策で金利では利益は出ないので、色んな収入源を模索しています。

 

その一つが、M&Aの仲介。

 

積極的にM&Aを勧めて仲介手数料を得ようとしているのです。

 

ただやみくもにM&Aを勧めているわけではありません。

 

対象会社に何かの課題が存在しているからなのです。

 

特に事業承継問題。

 

社長が高齢となり、後継者不在の場合、金融機関としてはリスクになります。どうしても次の連帯保証人が必要なのです。

 

さて、今回の銀行からのご依頼の内容に戻ります。

 

《対象会社内容》

 

・食品製造業・社長年齢71

 

・子供2名いるが他社でサラリーマン

 

・社長年収300万円

 

・純資産▲5000万円

 

・直近売上6000万円

 

・売上総利益▲230万円

 

・流動比率29

 

・当座比率5%

 

・固定資産ほぼ0

 

《短期借入先》

 

・社長2600万円

 

《長期借入先》

 

・某地方銀行2000万円・政府系120万円・ノンバンク600万円

 

この状況で皆さんだったら、どう判断されますか?

 

今回地方銀行がM&Aに走った意味は、対象会社を買ってもらって、債権を引き継いでもらおうとしているだけです。

 

しかし、売上総利益の段階でマイナス。ノンバンクにも借入していて、磨き上げる時間もなし。

 

本来、この状況だと経営者保証ガイドラインを活用し、破産することが妥当なのですが、銀行が先に動き出しているので、簡単に破産はできない状況です。

 

最後の最後まで銀行依存の社長にも問題がありますが、この段階まで放置し続けていた税理士・銀行にも問題があると思います。

 

今回お断りした理由は、銀行が少しでも債権を回収したいという思いだけで、社長個人の今後についてはどうでもよいとの判断だったからです。

 

もし、社長からの直接依頼であれば、破産へ向けて寄り添っていたことでしょう。

 

事業承継問題においては、銀行主導ではなく、自社主導で進まないと選択肢が狭まり、苦しい選択に迫られます。

 

先延ばしにせずに、早めに対応してください。